スリランカのABC

スリランカのことがよくわかる
ブログです。

第1弾 スリランカの歴史〜紀元前〜

アーユーボワン!


今回はスリランカの歴史について解説します。
スリランカは実に2,500年もの歴史がある国です。
島国という特性から、他国の侵入におびやかされながら独自の
文化・伝統を形成しています。


紀元前5世紀

シンハラ王国が誕生

紀元前5世紀にシンハラ王国が誕生したと言われています。


王都は「アヌラーダプラ」に置かれました。



王国誕生の起源は諸説があるのですが、シンハラ人の中で信じられているのが
マハーワンサ」と呼ばれる書物の神話です。


それによると、


「はるか昔、北インドでオスライオンとベンガル王女との間に
双子の兄弟が生まれました。
成長した息子はある日ライオンを殺してしまいます。
その後、息子は妹と結婚し、ラーラ王国を建設します。
妹との間に生まれた長子ウィジャヤは、国中を荒らし回る
悪者だったため、国から追放されてしまいます。
追放されたウィジャヤ達が船でたどり着いたのが、スリランカ。
彼らは先住民を制服し、シンハラ王国を建設します。
この一族は"ライオンを殺した者(シンハラ)"」と呼ばれました。」


この神話から、シンハラ人は北インドをルーツとしており、スリランカに
最初の国を作った民族である、と信じられています。


しかし、学問的には全く根拠の無い話であり、近年の歴史研究によれば
19世紀に至るまで南インドからの移住者が圧倒的に多かったことが
分かっています。


シンハラ人の次に多いタミル人は南インドから移住してきた民族です。


マジョリティーのシンハラ人としては、マイノリティーのタミル人と
出自が同じということは認めたくありません。


このシンハラ人の出自が北インドなのか、南インドなのかという議論は
この後、復興するシンハラナショナリズムの誕生につながります。


紀元前3世紀

スリランカに仏教が伝来

インドのアショーカ王の息子「マヒンダ」からスリランカに
上座部仏教が伝わります。


シンハラの王族は仏教を信仰し、シンハラの王はマヒンダ長老のために
アヌラーダプラにマハーヴィハーラ(大寺)を建立したとされています。


それ以来アヌラーダプラはスリランカの仏教の中心地として栄えました


また仏教を信奉するシンハラ人によって作られた、大規模な灌漑施設による
豊かな米生産も、アヌラーダプラの繁栄を支えました。


ここから国家と仏教は密接に結びつき、スリランカ仏教は国家保護の元で
発展していくことになります。

アヌラーダプラには多くの遺跡が残っています。



※アヌラーダプラについては他で観光記事として紹介します。


こぼれ話


仏教をスリランカに伝えたマヒンダ長老の名前は、スリランカ人は
誰もが知っています。


訪問したある家族では、2歳の娘さんに


「Why is Poson important?(なぜポソンは大切なの?)」
(※ポソン:仏教伝来をお祝いする日)


と聞くと


「Mahindu thero brought Buddism to Sri Lanka.
マヒンダ長老がスリランカに仏教を持ってきた。)」


と答えていました。


こうして、小さい頃から仏教について教育しているのですね。


壁に貼り付けてあった質問集。