スリランカのABC

スリランカのことがよくわかる
ブログです。

信じるパーセンテージを調整する

アーユーボワン!


スリランカ人はとても人がいいと思います。
だからと言って、気を許しすぎると人によっては
信じられない行動をする人がいます。


海外で生活する上で、ある一定の「疑う心」は必要です。

スリランカ青年とipad

18歳になる若い男の子(S)が勉強のために、近所に家を借りて
住んでいました。


Sとは近所でよく顔をあわせるので、挨拶をするようになりすぐ
仲良くなりました。


Sは人懐っこく、音楽が好きな子で、よく家に来てはYoutubeで
シンハラソングを聞かせてくれました。


Sはネットを見る機器がなく、私のipadを使わせてほしい、
と言うのでしばしば貸していました。


彼の家の人からは


Sは勉強しなくなるから、ipadを貸さないほうがいい。


と言われていたのですが、Sは勉強のためにipadを使いたい、と
言うので、貸し続けていました。


しばらくして、Sは実家に戻りました。


私はそのことを知らずにいて、Sの住んでた家の人を通じて
知りました。


そういえば、ipadを貸したままだ、と思い、FacebookでSに
メッセージを入れました。


しかし、なんの返信もありません


まぁ、落ち着いたら連絡してくるだろう、と思っていました。


謎のメッセージと衝撃の事実

ある日、Facebookにメッセージが届きました。


ipadのicloudがunlockされている。パスワードを教えてほしい。


全く認識のないスリランカ人です。
しかも、私のipadを持っているらしい。


「そのipadは私が友人に貸したものだ。返してほしい。」


と返信し、やりとりをしていると、その彼はipadをお店で
250USDで購入していたことが分かりました。


私のipadは売られてしまっていたのです。


私は事実関係を確認するために、Sに再度連絡をとりました。


Sから連絡が来ました。


何も知らないふりをして、ipadを返してほしいことを伝えると


OK、でも今は難しい時期だから時間がかかる。


何が難しい時期やねん!


結局、埒があかず、共通の知り合いを通して話をつけようと
しましたが、その共通の人からは


「もう売ってしまって、別の人の者になっている。どうしようもない。」


これ以上、その方を煩わせるのも気の毒だったので、
諦めることにしました。


自分の甘さを反省

振り返ると、全ては自分の甘さが原因でした。


普通なら返してもらえる、という甘い考えがありました。


返してもらえないかもしれない」という疑いをもって、
キチンと返してもらえば、その後も良い人間関係を続けること
ができたかもしれません。


しかし、この出来事で私はSを信じることはできないですし、
一切会う気もありません。


Sは全く悪気を感じているように思えませんから、Sの行動を
させてしまった原因は私がipadを貸し続けたことが原因です。


今回の出来事を防げたのは、唯一私だけということになります。


特に海外で生活する以上、ある一定の「疑う心」は、必要だと思うのです。


信じるパーセンテージ

ビジネスの話になりますが、
日本人が海外における人のやりとりに関して、一番
ネックになっていることは、この信じるということに
関係しています


日本人の特性として、相手を「信じる」か「信じないか」
2者択一で考えがちです。


たいてい外国人は最初はいい顔するので、
「この人は信頼できる人だ。」と思い、取引を始めますが、
平気で約束を反故したり、嘘をついたり、ひどい時は
騙したりすることがあります。


日本人の感覚からすると全く理解できないのですが、
そういうことを平気でする人もいるのです。


そして「裏切られた。もう2度と信用しない。」と
なってしまいます。


ですから、特に海外の人とやりとりする際は
信じるパーセンテージを調整」すべきなのです。


大枠は信じてるけど、この分野については40%くらいで
信頼する
、といったスタンスです。


「あなたを40%しか信用してない」と言うわけではなく、
そのスタンスでリスク管理をしておくのです。


今回ご紹介した私のケースであれば、
その日にipadは必ず返してもらう。」ことをするだけで
よかったのです。


信じることに重きをおくが、リスク管理はしっかりしておく
ということです。


特に金銭に関しては、100%信じてはいけません。


100%信じた結果、騙されても、それは信じる度合いを怠った
自分の責任です。


これは筆者の愛聴している「podcast 石原明の経営のヒント」(298回)
で石原氏が言われていたことですが、非常に共感できる意見でした。


筆者も肝に銘じておきます。